こんにちは!AMSA Records代表のMasa Gotoです。
このブログでは色々なミュージシャンやアーティストとの対談や、ツアー等の裏話を書いていこうと思います。
皆さんの意見も反映していきたいので、是非お気軽にご意見お寄せください。
さて、第4回はキング・クリムゾンやピーター・ゲイブリエルでの活動で知られるレジェンド・ベーシスト、Tony Levin(トニー・レヴィン)氏との対談の前編です。(インタビューが行われたのは、2018/12/21 名古屋某所。キング・クリムゾン名古屋公演の前)
トニー・レヴィンとの再会は、2018年1月にAMSA Reccordsとして企画したLevin Brothersの初来日ツアー以来、約11ヶ月ぶりでした。
(Levin Brothersの来日公演にお越し下さった皆様、どうもありがとうございました!!)
トニーをご存知ない方の為に、以下に簡単なプロフィールを記載します。
↓↓
Tony Levin / トニー・レヴィン
公式HP:https://tonylevin.com/
1946年6月6日、アメリカ合衆国マサチューセッツ州生まれ。
’70年代のプログレッシブ・ロックにおける五大バンドに位置付けられ、後世のロック・ミュージックにも多大な影響を与えたモンスターバンド"King Crimson(キング・クリムゾン)"のベーシストとして知られる。同バンドの他、ピーター・ゲイブリエル、ポール・サイモン、ジョン・レノンを始め、ルー・リード、アリス・クーパー、アート・ガーファンクル、ジェームス・テイラー、デヴィッド・ボウイなどジャンルの枠を超えてトップアーティスト達と共演。また、野口五郎、西城秀樹、渡辺香津美、大貫妙子、高野 寛らのアルバムやツアーにも参加し、日本においても馴染み深い存在となっている。
AMSA Recordsとの関わりは、2018年1月に主催したLevin Brothersでの来日ツアーやオンラインショップでの作品販売等。
・・・それでは対談の方に入りたいと思います。
≪対談 with トニー・レヴィン:前編≫
Masa Goto(以下Masa):トニー、お久しぶりです!今日はツアー中のお忙しいところありがとうございます。
Tony Levin(以下Tony): やぁ、また会えて嬉しいよ!
1月は素敵なツアーを組んでくれてどうもありがとう。(Levin Brothersの来日ツアーの事)
最近の調子はどうだい?次のツアーの予定は?
Masa:こちらこそ!Levin Brothersではあなたと一緒に仕事が出来てとても光栄でした。
目下の予定は、ツアーではないのですが、Allen HindsというL.A.のギタリストのプロジェクトのマネジメントで、3月にインドネシアのJava Jazz Festival(https://www.javajazzfestival.com/) へ行きます。
彼とは今年10月にもうちでツアーを企画しました。
Allenの事はご存知ですか?素晴らしいギタリストですよ。
(↑Allen Hinds & L.A. Super SoulのJava Jazz Festival用フライヤー)
Tony:名前と、素晴らしいプレイヤーだという噂を聞いたことはあるけど、実際に会ったことはないな。
Masa:成程。キング・クリムゾンのツアーの調子はどうですか?
Tony:すこぶる良いよ!キング・クリムゾンのツアーはいつも楽でいい。
そして今日はツアーの最終日だから、シャンパンでお祝いする予定だ。
明日日本を発ったら向こう4ヶ月はバンドの皆と会えないからね。
Masa:良いですね!今回のツアーでの写真撮影の調子は如何ですか?
(トニーは自身のブログにおける写真家としての顔も有名)
Tony:沢山良いショットが撮れたけど、そのぶん編集やアップロードが大変だ!(苦笑)
今日もこの後ホテルの部屋に戻ったらフォトショップで沢山編集する予定だよ。
あと、東京滞在時に James Genus/ジェームス・ジナス(ハービー・ハンコック等のベーシストとして有名)も同じく仕事で東京に来ていて彼の為にも写真撮影をしたから、彼の写真の編集もしなければならない(笑)
Masa:それは大変ですね(笑)
それにしてもジェームス・ジナスも東京にいたのは知らなかったです。大好きなベーシストの一人ですよ!
因みに写真の編集はいつもどれ位時間をかけるんですか?
Tony:物によるけど、早ければ15分位で終わるよ。でも枚数が多いから、そもそも撮影した物の中から良い物を抜粋するだけで結構な時間になったりするけどね。(苦笑)
Masa:では音楽的な話に入っていきたいと思います。
まずは簡単なバックグラウンド、あなたのストーリーを語っていただけますか?
Tony:音楽を始めたのは10歳の頃で、3つ上の兄(Pete Levin)の影響だった。
最初はアップライト・ベースでクラシック音楽を演奏していて、兄と一緒の音楽学校に通った。
因みに兄はフレンチホルンを演奏していたよ。
オーケストラでの演奏がメインだった。
(↑Tony Levinの実兄、Pete Levin)
そしてジャズをちゃんと演奏し始めたのはイーストマン音楽学校でルームメイトだったSteve Gadd(スティーヴ・ガッド)の影響だったのだけれど、これに関しては本当にラッキーだったと思うよ。
スティーヴがジャズのバンドでベーシストを探していたんだけど中々見つからなくて、その時ルームメイトだった私に白羽の矢がたったんだ。
彼のバンドに加入してからは2~3年毎晩一緒に演奏していたのだけれど、これはとても勉強になった。
スティーヴは当時から既に素晴らしいドラマーで、兎に角フィールの良さとリズムをキープする能力がズバ抜けていた。
(↑Steve Gadd(スティーヴ・ガッド) - 主にジャズ、フュージョン系のドラマーとして世界的に有名)
ベーシストとしては、スティーヴ・ガッドみたいなフィール(グルーヴ)とリズムキープの力をどちらも高いレベルで兼ね備えたドラマーと毎晩演奏する事は大きな学びで、彼との演奏生活は私に相当な影響を与えてくれたと思う。
恩師と言ってもよいね。
彼のバンドに入ったばかりの頃の私といえば、まずジャズのフィールがなかったし、クラシック音楽しか演奏していなかったから、リズムのハシったりモタったりの概念がなく、常にジャストのタイミングで音符を演奏していたよ。
スティーヴはそんな私をかなり寛大に見守ってくれていたと思う(笑)
そして遂に・・・、ロックを演奏し始めたのは21歳のときだ。
クラシック~ジャズときて、やっとロックに辿りついたんだけど、ロックが自分には一番しっくりきている。
自分の事は”ジャズも演奏するロック・ベーシスト”と認識しているよ。
ジェームス・ジナスみたいな凄まじいアップライト・ベースのジャズ演奏は僕には出来ない(笑)
Masa:何を言ってるんですか、あなたのアップライト・ベース演奏の美しさやスウィング・フィールといったら本当に素晴らしいですよ!(笑) 1月のLevin Brothersのツアーでは感動しました。
スティーヴ・ガッドの他に恩師と言える存在の方はいますか?
Tony:兄であるPete Levinが真っ先に挙がるかな。
そもそも兄の影響で音楽を始めたし、彼からは沢山のことを学んだよ。
後はロバート・フリップであったり、、、ただ常に一緒に演奏するミュージシャン達全員から何かを学んでいるから、そうなると今まで共演してきた全てのミュージシャン達が恩師と言えるかもしれないね。
例えばロバート・フリップのギター演奏からリズム・フィールのアイデアを得たり、クリス・ボッティのトランペット演奏から美しいメロディーのアイデアを得たりして、それらを自分のベース演奏に昇華させるんだ。
Masa:あなたの今までの共演者というと、キング・クリムゾン、ピーター・ゲイブリエル、ジョン・レノン、ストラヴィンスキー、デヴィッド・ボウイ、バディー・リッチ等、全く異なる色んなジャンルでその頂点と言える人達と演奏していますよね。
しかもどんなスタイルの音楽を演奏する際も、あなたが発する全ての音は常に意味を成し自然にそれぞれの音楽に完璧な形でフィットしていて、尚且つそこにはあなたの確固たる個性も共存している。
これは本当に驚異的なことだと思うんですよ。
一体どんな姿勢で音楽を演奏しているんでしょうか?
音楽のジャンルや演奏する楽器によってマインドセットが異なったりするのでしょうか?
Tony:まず、自分自身がそのとき演奏する音楽の”ファン”になる事だ。
楽器を演奏しない音楽ファンの人達と全く一緒だよ。
私はベーシストである前に、”音楽のファン”なんだ。
だから一音楽ファンとして、自分がその音楽の中で聴きたいと思うベースを弾くんだ。
後はその弾いた内容が他の皆にとっても心地よいと祈るだけだよ(笑)
だからジャンルも関係ないし、ベーシストとして「ここはこういうアプローチをしてやろう!」とか考える事もしない。
至ってシンプルだよ。
Masa:成程、、、あれだけ多岐に渡るジャンルで常に完璧に心地よい音を弾ける秘密が少し垣間見えました。。。
ただ、自分の想像力が及ばないジャンルの音楽に出会う事はないのでしょうか?
またその時はどの様にして演奏するのでしょう?
例えば、普段ブルースしか弾かない演奏家がボサノヴァを弾こうとしてもアイデアが浮かばなかったりすると思う、という話なのですが。
Tony:大概の音楽スタイルは演奏してきたからまずそういう事はないかな。。。
それとそういう時はプロデューサーに意見を仰いだり、その現場で必要とされているジャンルの音楽を色々と聴いてみるんだ。
ただ勿論自分には演奏出来ない領域もある。ジャズであってもね。
さっきも話した様に私は自分の事を”ジャズも演奏するロック・ベーシスト”だと思っている。
ジェームス・ジナスの様な”ジャズ・ベーシスト”ではないんだ。
例えばジェームス・ジナスがアップライトで弾く様な演奏は私には出来ない。その領域に訪れようと自分のベストは尽くすけれど、私には自分の演奏とジェームスの様にジャズを主戦場にしているベーシストとの音の違いが明確にわかるんだ。
あぁ、そういえば、所謂 ”ニュー・メタル” というジャンルを演奏したときは最初戸惑ったよ(笑)
Masa:ニュー・メタルを演奏したことがあるんですか!(笑)
Tony:一度だけね(笑)
あの手の音楽が持つ”パワー”はとても好きだ。
KORNのギタリストとして知られるBrian ”Head" Welch のプロジェクトで演奏したんだけど、6人ものバリトンギター奏者と演奏するというかなり変わったプロジェクトだったよ。
ベースのチューニングもB弦をA♭まで下げたしね(笑)
その為にベース弦を作っている会社に電話して「一番太い弦を送ってくれ!」と頼んだ。一晩で送ってくれて、ほぼほぼアルバム1枚そのチューニングで演奏したんだ(笑)
あれはかなり特殊なプロジェクトだったけど、楽しかったよ!
≪前編・完≫
~次回へ続く~
※Tony LevinのソロCD、Levin BrothersCD、サイン入り詩集、Stick Menの限定BOXセット等は、
AMSA Recordsのオンライン・ショップよりお買い求めいただけます。
↓↓↓
2020.2.28.fri.
STICK MEN feat.Gary Husband
名古屋ブルーノート公演
キング・クリムゾンのリズム隊Tony LevinとPat Mastelotto、そしてスティック奏者第一人者Markus Reuterによるバンド、スティック・メンが名古屋ブルーノート初登場!1stと2ndで異なる曲目を披露、クリムゾン楽曲も演奏予定! 今回はGary Husbandもスペシャル・ゲストとして参戦!詳細&予約 https://www.nagoya-bluenote.com/schedule/202002.html
2020年2月下旬
JONATHAN KREISBERG QUARTET - "CAPTURING SPIRITS" JAPAN TOUR 2020 -
2/24(月) 熊本 CIB
2/25(火) 京都 le club jazz
2/26(水) 名古屋 BLUE NOTE
2/27(木) 静岡 KENTO'S
2/28(金) 東京 PIT INN
2/29(土) 東京 PIT INN
Jonathan Kreisberg - guitar Martin Bejerano - piano Matt Clohesy - bass Colin Stranahan - drumsカート・ローゼンウィンケルやアダム・ロジャースと並ぶ現在最高峰のジャズ・ギタリスト、Jonathan Kreisberg が自身初となるライブ・アルバム"CAPTURING SPIRITS - JKQ LIVE!"のリリースに併せて来日を果たす! 「その場での各々のリスクの上で辿りついた、メンバー間の高い次元でのコミュニケーションが詰まっている。」とジョナサンが言い放つ本作クインテットのメンバーは、 ピアノにMartin Bejerano(チック・コリア、デイヴ・ホーランド、ラッセル・マローン、ロイ・ヘインズ等)。 ベースにMatt Clohesy(マリア・シュナイダーやエリック・アレキサンダー、シーマス・ブレイク等) そしてドラムにはColin Stranahan(ハービー・ハンコック、ウェイン・ショーター、カート・ローゼンウィンケル、ギラッド・ヘクセルマン等)という各々が第一線で活躍する名実共にNYCのモダンジャズシーンのトップクラス。 超強力メンバー4人が集まった本公演は、現在進行形ニューヨーク・ジャズの真髄を余すところなく伝えてくれることだろう。
【各公演お問い合わせ&予約】
2/24(月) 熊本 CIB http://cib-co.jp
2/25(火) 京都 le club jazz http://web.kyoto-inet.or.jp/people/ktsin/
2/26(水) 名古屋 BLUE NOTE https://www.nagoya-bluenote.com/schedule/202002.html
2/27(木) 静岡 KENTO'S http://sz-kentos.jp
2/28(金) 東京 PIT INN
2/29(土) 東京 PIT INN http://www.pit-inn.com
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