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執筆者の写真Masa Goto

対談 with Gary Husband(前編:Allan Holdsworthについて)

更新日:2020年1月18日



こんにちは!AMSA Records代表のMasa Gotoです。

このブログでは色々なミュージシャンやアーティストとの対談や、ツアー等の裏話を書いていこうと思います。

皆さんの意見も反映していきたいので、是非お気軽にご意見お寄せくださいね!


さて、第一回は明日7/26よりソロとしては初の来日ツアーを控えるゲイリー・ハズバンド氏との対談です。

ゲイリーの事をご存知ない方の為に、以下に簡単なプロフィールと音源&動画を載せますね!

↓↓




Gary Husband / ゲイリー・ハズバンド(dr&key)

公式HP:http://www.garyhusband.com/ 1960年6月14日生れ、イギリス出身のジャズ&ロック・ドラマー、キーボーディスト 現在58歳 ドラマーとして Level 42のバンドメンバーを務めたり、 Allan Holdsworth、Jeff Beck、Jack Bruce、Gary Moore等数々のレジェンド達とツアーやレコーディングをこなす傍ら、 キーボーディスととしてもJohn McLaughinのThe 4th DimensionやBilly Cobham、Soft Machine Legacy等トップレベルのアーティスト達とツアーを周っている。 他にもThe PoliceのAndy SummersやVan Halen、Mike Stern、Al Jarreau、UK等との数々のセッション歴あり。 【ピアノソロ音源】 ”A Meeting Of Spirits" https://garyhusbandmusic.bandcamp.com/album/a-meeting-of-spirits マイルス・デイヴィスとの活動や、自身のマハヴィシュヌ・オーケストラで知られる伝説的ギタリスト、ジョン・マクラフリンへのトリビュートアルバム。※全楽曲試聴出来ます。 ”The Things I See" https://www.youtube.com/watch?v=BEojGBSHzNk ・・・さて、それでは対談の方に入りたいと思います。



≪対談 with ゲイリー・ハズバンド≫


Masa Goto(以下Masa):ようこそ日本へ!前回の来日(ソフト・マシーン・レガシー)からは約2年ぶりですね。


Gary Husband(以下Gary):そうだね。ただアラン(ギタリストの故Allan Holdsworth)が亡くなった後に日本に来るのは初めてだから、なんだか妙な気分だよ・・・

特に六本木はアランとの思い出が沢山あるからね。


Masa:アランと何度も来日されていますからね・・・、心中お察しします。

あなたとアランとの出会いについて教えて頂けますか?


Gary:アランと会ったのは確か1977か1978年で、ロンドンのRonnie Scott’s Jazz Clubで僕が演奏しているときにアランが観に来ていたんだ。

ライブ後にアランから「お前のドラミングが気に入った!今度セッションしたいから電話番号を教えてくれ。」と言われたんだけど、彼は酔ってたし、ただのリップ・サービスだと思ったよ(笑)

そうしたら翌日にアランから電話がかかってきて、

「スタジオを押さえてあるから○○日にセッションしよう!」と言われたんだ。

とても嬉しかったよ。。。

そして数日後、アランや他大勢のミュージシャン達とスタジオでセッションしたんだけど、とても奇妙な体験だった。

何故か皆演奏中にどんどん帰っていって、最終的に僕とアランの二人だけが即興のセッションを続けていた。辺りはすっかり暗くなってたけど、ただ無心でセッションを続けたよ。

お互いにそれまで感じた事がない様なラポール(心と心が通じ合っている状態)を感じたんだ。まるでテレパシーみたいにね...。

それからすぐに彼のバンドに加入する事になったんだ。


因みに一番最初に言われたのは大きなバスドラを使えって事だったなぁ。

20インチのものを使っていたんだけど、

「そんな小さいんじゃまるで子犬が鳴いてる様な音しかでないだろ。バスドラはデカイ方が良い。

デカい箱は音もデカいんだ!」

って言われて28インチにしたんだ(笑)

「デカイ箱」って…アンプかよ(笑)


Masa:アランらしいですね(笑)

そうしてアランと活動を始めてから最初にレコーディングしたのが「I.O.U.」(1979年録音/1982年発売)ですね。

今聴いてもとても革新的な内容なので、当時は相当なインパクトだったでしょうね...!

周りからの反応は如何でしたか?


Gary:・・・周りからの反応は正直かなり良くなかったよ(笑)

当時としては内容がぶっ飛び過ぎていた…。素晴らしいアルバムだけどね。


ただ、その後アメリカで大人気になったんだ!

当時はインターネットなんてないからね、僕達が演奏したクラブのオーナーが他の町の連中に良いうわさを吹き込んでくれたんだ。

「Allan Holdsworthっていう奴が今日うちのクラブで演奏したんだけど、満員になったから明日も演奏してもらう事にしたよ!

よくわからん音楽だが、とにかく人が集まるからお前の町でも雇うべきだよ!」

って具合にね(笑)

とにかく素晴らしい時期だったよ。










(↑ゲイリー加入当時のAllan Holdsworthバンド)


Masa:正にアメリカン・ドリームですね(笑)

アランと言えば、ギター演奏がユニークなだけでなく人としても変わり者としても知られていますが、何か面白いエピソードはありますか?


Gary:沢山ありすぎるよ・・・。

例えば日本でアラン、そしてベーシストのJimmy Haslipと一緒にバンド・クリニックをやったことがあるけど、アランは来てくれた人たちの質問に対して「No」の一点張りで、キツイ沈黙が多かったなぁ…(苦笑)

例えば「この曲のここのフレーズはどうやって弾いてますか?」

といった質問に「覚えてない。(キッパリ)」とかね。

折角皆チケットを買って参加してくれたのに、かなり申し訳なかったよ(苦笑)


それとアランは自分の演奏や音作りを真似しようとする人達に失望していた。

「俺は自分にとって最適なサウンドを奏でているだけで、それは飽くまで”俺のサウンド”なんだ。

俺の演奏にインスパイアされてくれるのはとても嬉しいけど、それなら”俺の”音や演奏を真似するのではなく、インスパイアされた事をその人の”自分だけのサウンド”として昇華するべきだ。人生一回しかないんだからね。

他人の真似をする時間は勿体ないし、それは既にその人がやっている事だからね。

そういう人達と会うたびに申し訳ないし可哀想な気分になるよ…。」

といった具合にね。


でもこれは真理だよ。

去年アランが亡くなった後、「アランのトリビュート・ライブをしよう!」という誘いのメールが沢山届いたんだけど、全て断ったよ。そして沢山の人達を怒らせた(笑)

だってそうだろ、アランは自分の曲を彼みたいなサウンドで演奏してもらう事なんか望んじゃいないよ。

僕はアランと38年も一緒に演奏してきたからわかる。

本当にアランを尊敬し彼に対するトリビュートをするなら、アランが驚くような新しい音楽やアレンジメントを書いてそれを演奏する事だよ。

アランは他人の凄い演奏を聴く度に、いつも子供みたいに喜んでいた。

「このハーモニーではこんなフレーズも弾けるのか!彼はよく研究したんだな…。

俺ではそんな風に弾けるなんて思いつかなかったよ!」

ってね。

だからトリビュートするなら、彼がそんな風にワクワクする様な斬新な音楽を演奏するべきだと思うな。


Masa:あなたが言うと、とても説得力があります。

確かに、アランにインスパイアされたファンの人達には、演奏内容等表面だけでなくそのアティチュード、”アランだけのサウンド” が出来た背景についても伝わって欲しいですね。


Gary:だから僕の最初のピアノ・ソロ・アルバム、”The Things I See"は、アランの楽曲を演奏してはいるものの、

”カバー・アルバム”ではなく、”インタープリテーション(解釈)・アルバム”なんだ。

よく色んな人に「全然アランのやってる事と違う!」って言われるけど、

だから「The Things ”I” See」ってタイトルなんだよ(笑)

飽くまで僕の解釈での演奏。

ハーモニーも全く違うし、アランの持つ世界観の中で僕の元に自然に降りてきたものを「ドキュメント」として捉えたんだ。

みっちり3~4ヶ月位かけて取り組んだよ。

このアルバムについては本当に誇りに思っている。


Masa:成程・・・、そのお話を聞くと、明日からのソロ・ジャパン・ツアーで実際にあなたの演奏するアランの楽曲達を生で聴くのが一層楽しみになりました!


Gary:僕もやっと日本でソロコンサートが出来る事をとても楽しみに思っているよ。

ありがとう!


~後編へ続く!~


2020.2.28.fri.

STICK MEN feat.Gary Husband

名古屋ブルーノート公演

キング・クリムゾンのリズム隊Tony LevinとPat Mastelotto、そしてスティック奏者第一人者Markus Reuterによるバンド、スティック・メンが名古屋ブルーノート初登場!1stと2ndで異なる曲目を披露、クリムゾン楽曲も演奏予定! 今回はGary Husbandもスペシャル・ゲストとして参戦!詳細&予約 https://www.nagoya-bluenote.com/schedule/202002.html



2020年2月下旬

JONATHAN KREISBERG QUARTET - "CAPTURING SPIRITS" JAPAN TOUR 2020 -

2/24(月) 熊本 CIB

2/25(火) 京都 le club jazz

2/26(水) 名古屋 BLUE NOTE

2/27(木) 静岡 KENTO'S

2/28(金) 東京 PIT INN

2/29(土) 東京 PIT INN



Jonathan Kreisberg - guitar Martin Bejerano - piano Matt Clohesy - bass Colin Stranahan - drumsカート・ローゼンウィンケルやアダム・ロジャースと並ぶ現在最高峰のジャズ・ギタリスト、Jonathan Kreisberg が自身初となるライブ・アルバム"CAPTURING SPIRITS - JKQ LIVE!"のリリースに併せて来日を果たす! 「その場での各々のリスクの上で辿りついた、メンバー間の高い次元でのコミュニケーションが詰まっている。」とジョナサンが言い放つ本作クインテットのメンバーは、 ピアノにMartin Bejerano(チック・コリア、デイヴ・ホーランド、ラッセル・マローン、ロイ・ヘインズ等)。 ベースにMatt Clohesy(マリア・シュナイダーやエリック・アレキサンダー、シーマス・ブレイク等) そしてドラムにはColin Stranahan(ハービー・ハンコック、ウェイン・ショーター、カート・ローゼンウィンケル、ギラッド・ヘクセルマン等)という各々が第一線で活躍する名実共にNYCのモダンジャズシーンのトップクラス。 超強力メンバー4人が集まった本公演は、現在進行形ニューヨーク・ジャズの真髄を余すところなく伝えてくれることだろう。


【各公演お問い合わせ&予約】

2/24(月) 熊本 CIB http://cib-co.jp

2/25(火) 京都 le club jazz http://web.kyoto-inet.or.jp/people/ktsin/

2/27(木) 静岡 KENTO'S http://sz-kentos.jp

2/28(金) 東京 PIT INN

2/29(土) 東京 PIT INN http://www.pit-inn.com


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